反対咬合(うけ口)の早期治療 その1
 不正咬合のうち、特に早期治療が有効なのが反対咬合(うけ口)です。
 反対咬合というと、下顎が大きいイメージがあるかもしれません。しかし6歳ごろまでの反対咬合のほとんどのケースは、下顎の過成長ではなくて上顎の劣成長です。上顎骨の前方への発育不足(側方への発育不足も伴います)が反対咬合の原因です。
 上顎骨と下顎骨は成長する時期が違い、上顎骨の前方成長は早く終了するのに対し、下顎骨は後から(小学生後半以降に)より多く成長します。小児の反対咬合を放置していると、やがて下顎骨の過成長がみられるようになります。
 そのためなるべく早期に、上下前歯の被蓋(噛みあわせ)を治すことと、上顎骨の前側方への成長を達成することが必要となります。

顔への影響
 反対咬合の方は上顎骨が劣成長であるだけでなく、上顎骨周囲の骨(頬骨・前頭骨)も前方へ十分に成長できません。そのため中顔面(目や鼻のあたりを含みます)の前方への発育が悪い顔(三日月様顔貌)になってしまいます。
 適切な矯正装置を早期に用いることで、歯並びだけでなく顔貌の改善が期待できます。

治療例(顎顔面矯正)
 上顎骨を前側方へ拡大できる矯正装置で治療しました。早期治療により、顔貌もよくなりました。
 (※患者さんの許可を得て写真を掲載しています。)
治療前
骨格性反対咬合。
三日月様の顔貌。中顔面の前方への発育不足。
治療後(3年後)
前歯の咬合は正常に。
上顎骨が前方へ成長したことで中顔面もバランスよく発育。
できるだけ早期に
 年齢が上がると上顎骨の前方への成長は難しくなります。
反対咬合は混合歯列期初期(6歳ごろ)には開始した方が良いです。可能であれば、乳歯列のうちに開始することをおすすめします。



     ブログもご参考下さい